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魅惑の恋【短編集】

第37章 禪院直哉の溺愛奴隷✿禪院直哉✿裏


「使い道ないんやったら、俺がもらったろか」

「どいつでもええで」と喉で奏でる低い笑いが部屋に響く。双子の妹たちと父の背で、正座をして背筋をピンと伸ばしていた。

真衣には術式がある。真希だって、その身体能力で上までいけるだろう。私は……もう伸びることはない。

畳を膝で擦りながら少し前に出て、三つ指をついた。二人には自分の居場所を作って、自由になって欲しい。こんな…男たちに蔑まされた監獄で生きて欲しくない。

私たち姉妹の誰かをもらうと言った男――禪院直哉は、この男尊女卑の禪院家で最もその気概がある男。この人の元に行けば、自尊心など持つことも許されず、道具のように生きていくことになるだろう。

「直哉さん、よろしくお願いします」

目を伏せて、頭を下げる。見なくてもわかった。直哉さんが意地悪く口角を上げたことを__

「直哉"様"やないんや?なんも意識ないん?次期当主の後ろ歩くんやで?それでええと思っとるん?」

「……直哉様……」

従兄弟を様付けで呼ぶなんて…とても屈辱的だったが、私は飄々とそれに従った。私は"物"となる。感情は捨てるべきなのだ。

「ほな行こか。早速、仕事やで〜」

喉で笑いを転がしながら近付いてきて、三つ指をついたままの私の手を引く。強引だが、痛いわけでもない。そのまま私は、直哉様に連れられ、部屋を出た。
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