第1章 とある1週間✿保科宗四郎✿あの日〜番外編
「三浦、来い。」
私の名前を呼びながら、彼は目を合わせずにそう言って背を向けた。私は彼について歩き出した。
彼は第3部隊の副隊長、保科宗四郎。私たちは付き合っているわけではないが、お互いの気持ちを知りながらも、不思議な関係を続けていた。
先輩に襲われそうになっていたところを彼に見られ、先輩の証言で私から誘ったということになった。
揉み消すかわりに相手をしろと言われたので、彼に呼び出されて口淫をしたりしていたのだ。
元々、彼のことを好きだったが、ただ処理をするだけのその行為が嫌になり、彼にはなんの罰も与えないという約束で亜白隊長に全て話し、その後は私のことも触ってくれていたのだが、行為中に呼び出されることが多々あり、嫉妬して彼を怒らせてしまった。
少し前を歩く彼の後を、一定の感覚を開けて歩いていると、地下にある武器保管室に通される。
亜白隊長もいたので、すぐに敬礼をした。
そして、台の上にある60cm程のケースに目を向ける。
「三浦美影、お前に専用武器を支給する。」
驚き隊長の目を見据えた。
なぜなら、専用武器が与えられるのは、隊長や副隊長格からなのだ。
状況を鑑みて、副隊長に次ぎキコルちゃんと並ぶ戦闘力を持つ私に与えることにしたそうだ。
ケースが開けられ、プロトタイプだと言う2振りの短刀が姿を現した。
刀身が少し赤みを帯びた黒いものだった。