第15章 まばゆい
ある日の
シャイニング事務所
マスターコース寮内
その廊下にて
ガラガラガラ
仕上がった衣装が
大事にカバーされて
ハンガーラックごと運ばれる。
「〇〇ちゃん、いつもありがとね♡」
と、ハンガーラックを運ぶ〇〇の
1歩前を歩いているのは月宮林檎。
『いえいえ。
龍也さんに紹介してもらってから
ずっと贔屓にしていただいて
嬉しい限りですよ〜(* ᴗ͈ˬᴗ͈)”』
「それにしても今回は大変だったでしょ?
最近色々と衣装が必要で
何着もお直し頼んじゃってごめんなさいね?」
『とんでもないです。
それだけ大切にお洋服
着ていただいてるってことですから』
と、月宮林檎の仕事着を含めた衣装が
いつもの部屋に運ばれる。
こういった得意先には
可能な限り〇〇が向かうこと
になっている。
これがST.coのポリシーである。
(前にレイジング事務所に行かせた子が
アイドルの追っかけで大変なことになったもんなぁ…)
ガラガラ…
『ここで大丈夫ですか?』
「うん!OK!ありがとう〜♡」
『あとは、納品チェック済ませますね』
と、バインダーに挟んだリストを
月宮林檎と見比べながら
全ての衣装が納品されたことを確認する。
『…と、いつものニットのトップスですね^^』
「うんうん。
全部揃ってるわね!」
『では納品書にサインお願いします』
「はぁい。」
月宮林檎が受け取ったペンで
サインをしながら、
「最近どう?落ち着いた?」
と、〇〇の会社が
火を吹いていることを
誰かから聞いたのか近況を聞く。
『まだまだ忙しくさせてもらってます^^
最近は副業の方に本腰入れてるので、
ありがたい限りなんですけどね』
なんて、少しだけ本心を隠しながら伝える。
「あまり無理しちゃだめよ?」
と、男性とは思えない
可愛すぎる顔にこんなことを言われて
『…///
(おっふ…///ってならないわけない。)
ご心配ありがとうございます///』
と返す〇〇。
すると…
バァン!
と、扉が激しく開くような音が聞こえる。
『へっ!?!?』
「えっ!?!?」
2人でビクッとして
体を少しかがめ…
自分たちの部屋では無いことを確かめ、
廊下に出る。