第10章 記憶の上書き
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チャポン……
事後、新しくお湯を張って
乳白色の入浴剤を入れて
皆で湯船に浸かる。
私は恥ずかしいので
バスタオルで体を隠す。
皆も腰に巻いている。
『はぁ…いいお湯〜///』
なんて言っていると。
「今日は疲れてるところに、
悪かったな…」
と、頬をスリスリしながら
体を心配してくれるランラン。
『ふふっ…いいよぉ
帰り道ほとんど寝てたから
少し体力回復してたし…
それに、気持ちかったし…ブクブク//』
と、照れ隠しに
お湯にブクブクと顔を沈める。
「クス…可愛いね。
蘭ちゃんが中出しした時は
かなり焦ったけど。」
「あ?」
『ふふっ…私もびっくりしたけど、
それだけ皆が
私で気持ちよくなってる…
ってことが嬉しいから…//』
と伝えると
「レディが良かったなら…
俺は何も言わないよ(^^)」
と言ってくれた。
「しかし、寿のやつ…
俺たちの関係に気づくとは…
やはり侮れんやつだ。」
ミューちゃんが
難しい顔をする。
「確かに…
まぁ、寿さんのことですから、
口外したり、脅迫めいたことをするとは
考えられませんが…」
と、トッキーも顔を強ばらせる。
「それは、寿が〇〇を
なんとも思っていないことが前提だ。
奴から何か言われたか?」
とミューちゃんに聞かれて
『うーん…
昔は嶺二によく懐いてたから、
それがなくなって寂しい
的なことは言われたけど…
恋愛感情では無いんじゃないかな(^-^;』
と、撮影の最後に
嶺二に言われたことを
正直に伝える。
「へぇ…
レディの過去のこととはいえ、
少し妬けちゃうね。」
「ええ。
でも、その言葉の真意が分からない以上、
注意するに超したことはなさそうですね。」
と、レンくんとトッキーに言われて
『ふふっ、そうだね。
気をつけるよ(^^)
暫く嶺二と一緒になる仕事もないし、
もしあったら皆に事前に伝えるようにするね』
と言うと、
皆納得してくれたようだ。
嫉妬したりされたりして
ときに激しく、ときにじっくりと愛し合い、
5人で幸せな時間を過ごす。
こんな日々がずっと続くのだろう…
なんて考えていた。
……しかし、
この後始まるSSSの選考ライブが
私たちの生活を一変させることになることを
この時の私は知る由もなかった。
END