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幻想科学物語-つかの間の閑話-

第2章 人を繋ぐメンタリスト






葉っぱも色づく紅葉の季節。


千空のトンデモ特大プロジェクト、ケータイを作ってみようプロジェクトの1つ、バッテリー作りが完成して少しした頃。


ルーチェは今日も今日とて、子供の診療をしていた。


「はい、あーん、して。」


「あーん。」


子供は熱を引いたのか、少し体が熱く、咳や鼻水が酷い。
ルーチェは薄手の布地の手袋をつけて、口の中を見る。子供は少し苦しそうな声を上げた。


「はい、よくできました。もう閉じていいよ。」


そう言うと、口の中から手を抜き、手袋を外す。その後、少し痛むけど我慢してね、と優しくいうと、もってきた針をツボへと刺した。


子供は泣きそうな顔をするが、親に抱っこされて心臓の音を聞いて安心しているのか、唇をきゅっと結んで耐えていた。


少し経つと、針を引き抜き、それを使用済み、と書かれた木箱にいれた。そして、自身の手を布切れで拭う。


「はい、これで治療はおしまい。よくがんばったね。」


「ありがとー!ルーチェ先生!」


ルーチェが頭を撫でてやると先程までの辛そうな表情から、ぱぁっと明るい表情へと変わる。


ルーチェは頭を撫で終えると、風邪が治ったら食べるのよ、といって、糖の結晶で果物を固めたもの、つまりフルーツ飴の入った小さな瓶を置いた。


「いつもありがとうございます。」


「お気になさらないでください。お子さんは恐らく風邪を拗らせています。サルファ剤を処方しますので、一日に2回、小さじ半分ほどをのませてください。」


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