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幻想科学物語-つかの間の閑話-

第2章 人を繋ぐメンタリスト







「ねぇスイカちゃん。ひとつお願いがあるんだけど…」


「?なんなんだよ?スイカにお役に立てることなら任せて欲しいんだよ!」


「スイカちゃんチームの休憩時間にルーチェちゃんも誘ってほしいんだ。ほら、スイカちゃんチームにはご隠居達もいるし、いい息抜きになると思うんだよねぇ。」


「え、でも、ルーチェは忙しそうにしているんだよ。」


スイカがお役に立てるかな、と珍しく弱気で呟く。
ゲンは、スイカちゃんならできるよ、と言わんばかりにスイカ仮面を優しく撫でる。


「大丈夫だよ。それに、ルーチェちゃんは、スイカちゃん含め、子供たちに弱いからねぇ。スイカちゃんが可愛くオネダリしたらきっと、一緒にお話してくれるよ。」


むしろ、俺が提案するより、素直に聞いてくれるさ、とにっこり笑って言うと、スイカも釣られて可愛らしい笑顔になる。


「うん!ルーチェも村のみんなも仲良くお話してほしいんだよ!スイカもお役に立ちたいんだよ!」


「うん。そしたらお願いね。スイカちゃん。」


笑いながらそう言ったスイカに満足そうに微笑むゲン。
しばらくスイカ仮面を撫でた後、ふと夕陽に目を向けた。


(まぁこれで上手く行けばいいけど、ね。俺はこれぐらいしか出来ないけど、せめてここがルーチェちゃんにとって、大切な場所のひとつになってくれれば。)


「?ゲン、どうしたんだよ?ゲン。」


「なーんでもないよ。村のみんなが仲良しになってくれたらなぁ、って考えていただけ。」


少し歩きすぎたね、帰ろうか-----
そう言うと、スイカもうん!と頷いて、ゲンの手をとり、来た道をもどっていった。



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