第3章 《1部/前編2/5話/3P》04 05 06
〈子供時代編〉【04 父から与えられた力】
〈02/10話│1(1/2)/3P│1400字〉
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「ゴジ、ロクジュ、よく来たな。いいか、お前達は私の[最高傑作]だ……!!」
子供達が全員でイチジから順に横一列に並んで[ヴィンスモーク・ジャッジ]と向かい合う。
(やっぱりこの人………すごく大きい。これでべつに[巨人族]じゃないし、子供たちに遺伝もしてない……謎だ)
「───研究の粋を集めた科学の操作により、人間を越える存在として生まれた!!くだらぬ世の情けに流される事もなく、ゆくゆくはそれぞれが──」
長々と御託を並べているジャッジさんに吐き気がした。
でもなぜか、ジャッジさんに対して嫌悪はしても恐怖は感じない。よっぽど隣にいるヨンジ達の異質な雰囲気の方が感覚的に恐い。
「──才能は与えた!!後は鍛練だ!!」
「はい!!父上!!」
こうして、私の[ジェルマ]での過酷な暮らしが本格的に始まる。
鍛練の種類は多岐におよび、体力作りや身体能力の測定から始まり、高い場所から飛び降りる時のはさすがに怖くて、サンジと一緒にふるえたりもした。
けれども………私のこの体はゴジや姉兄達に引けを取らない怪物っぷりで、それらをこなしても全然痛みや疲れはなくて残りもしない。
(ほんとうに普通の人間じゃないんだ…私…)
みんながサンジを笑い者にしている時も、私は自分の強靭な肉体の現実がショックで、むしろできない彼がひたすらにがうらやましくなる。