第4章 *意外な彼の顔 糸師 凛
『凛ちゃん、おかえりなさい!』
ただいまとぶっきらぼうに答える彼は幼馴染であり、彼氏の凛ちゃん。
突然合宿に行くと言い、数ヶ月も音信不通だった彼を心配していたが、テレビに映る彼をみて安心した。
そして改めて彼のプレーに魅了された。
試合の翌日、凛ちゃんから連絡があった。
2週間のオフがあるらしく帰ってくるとのこと。
そして今、彼が帰ってきたところである。
『ご飯食べる?』
「ああ」
そういうと思っていたので、先に準備しておいたおかずを温め直す。
凛ちゃんはリビングで寛いでいた。
ここは私の家だが、ほぼ凛ちゃんの家である。
私たちの家は隣同士で、親同士も仲が良く幼い頃から行き来しているからだ。
今日はお父さんとお母さんはデートで出掛けている為、2人でゆっくり過ごす予定だ。
ご飯を食べ、昨日の試合を見返していた。
その時、つい言ってしまったのだ。
彼の名前を、、、
『冴ちゃん、、やっぱり凄い、、、きゃっ!』
「今なんつった」
突然視界が凛ちゃんの顔と天井に変わったのだ。
そして凛ちゃんの瞳が鋭く光る、、、
この瞳をした彼から逃げ出すことは出来ない。