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だが為に薔薇姫は微笑む【薬屋/R18】

第3章 壬氏の女官




「壬氏様、が来ましたよ」


水蓮が壬氏の部屋の扉を開け、を「さぁ」と中に通した。


聞きたい事が、山のようにある。


は水蓮に一礼した後で、壬氏の前まで訪れて礼をした。


「よく来てくれた。楽にしてくれていい」


この状況、どうした物か。


は礼の姿勢を解くと、天女にも勝る壬氏の御尊顔を改めて見た。


上品に笑みを浮かべた壬氏は続けて口を開いた。


「君、は今日本日を持って私付の女官にした。明日からは私の世話役も兼ねてここの女官として働いてもらう。よろしく頼む」


有無言わせ無いとでも言うような壬氏の表情に、は困ったようなしかめっ面を浮かべた。


答えは「肯」しか受け取らない、壬氏の言葉には口を開く。


「それは、私でなければならないのでしょうか···?」


壬氏の女官になりたい。


そんな女官達は後宮内にどれほどいるだろう。


(女官の仕事ならば私でなくても···)


「それがねえぇ···」


背後で聞いていた水蓮が困ったように「はぁ」とため息をついた。



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