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【短編集】悪役令嬢RTA

第11章 いじめられ令嬢は訴える!!


「いたっ」
まだ痛む。
悪役令嬢なんて呼ばれている私を集団リンチする輩が現れたのだ。

だけど挫けてなんかいられない。
私はエドガー様のお嫁さんになるのだ。

リンチは続いた。
毎回スポーツ用の木のバーで太腿や腹を打たれる。
そこなら服を着てしまえば見えないからだ。

『エドガー様ぁ』
同時にその輩の一人『ヒルダ・ニールンド』がエドガー様をロックオンしだした。
ヒルダも中々の美貌。―――エドガー様も微妙なヒルダのアプローチに線引きをすべきか迷った様だ。

でも私は訴え出たりしない。
悪役令嬢ですもの。
負けてなるものですか。

そして学期末のプロムでとうとうヒルダが勝負を決めるらしいなる噂を聞く。
エドガー様は勿論私をエスコートしてくださる。

―――でも何だか憂い顔なのは何故?
「リンダ、君はいじめってどう思う?」
徐に聞かれ、私は思わず服の上から太腿を撫でた。
「はしたないです。下世話なやり方ですわね」
私の言葉にエドガー様は頷く。

「そうだよね。リンダみたいに優しい子がいじめなんか出来る訳ないよね」
少し笑ってくれるエドガー様に笑みを返す。
「勿論ですわ」
闇に葬ったのはいじめじゃないですもん。ただのキャットファイトですもの。

それに私がみすみす糾弾されるのを黙っているとお思い?
ただ小突き回されるだけだしと耐えていた訳じゃありませんのよ。
私はエドガー様の手を取った。

「エドガー様に出会えてリンダは本当に幸せですわ」
「そんな風に言われたら、このままプロムに行くなんて惜しくなっちゃうじゃないか」
エドガー様はやっと満面の笑みを浮かべ、私の手を取り返し、手の甲、手首、肘、肩、―――そして唇にキスをして下さる。

「リンダは聡明で美しいよ」
「えぇ、わたくしはエドガー様の『ヴェックストレーム』家の名を汚さぬよう、一端の淑女になってみせますわ」
『』だった頃には無かったドキドキワクワクを手放してなるもんですか!
こんなに優しく素敵な婚約者様を手放してなるものですか。

―――悪役令嬢『リンダ・ハルハーゲン』の名にかけて折れて等やるもんですか。
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