第3章 ひろゆきRTA
「ここにいるスヴェア・アールバリをお前が権力を笠に着て、いたぶったというのはもう自明の理」
隣に立つスヴェア―――やはり彼女の瞳の色の碧のドレスを着ている―――を抱き寄せオスヴァルド様が叫ぶ。
だがそれでひるむ私ではない。
「それって、あなたの感想ですよね?」
私の言葉にオスヴァルド様は一瞬気圧された様な表情をした。
まさか私が反論すると思っていなかったとでも?
いいえ、私は意地でも認めないわ!
「だ、だが証拠がッ」
オスヴァルド様が後ろに控えていた親友で腹心とも言うべき方、アルヴィド様の方を向く。
その手には何やら書類が握られていた。
「アルヴィド様がお集めになった証拠、ねぇ」
私は扇で顔をあおぐ。
「それがどうしたと言うんだ?!」
ふぅ、と私は溜息をつく。
「アルヴィド様はこうお尋ねになったんじゃございませんの?『いじめがあったのか?』と、…………上級貴族にそう問われたらそりゃ皆さん、『有りました』としか答え様がないんじゃございませんこと?」
―――まあ実際あったんだけれども。