第3章 ひろゆきRTA
私の名前は。
平々凡々としたOL。ちまちま貯金をし、あまり多いとは言えないお給料で慎ましい生活をしてきた。
だけど駅の階段でぶつかりおじさんに肩ドンされ、疲れ切っていた私は呆気なく落下―――嗚呼、私、亡くなったのね、きっと。
そして目覚めたら私は―――悪役令嬢『カルロッタ・ラーゲルクヴィスト』になっていた。
静かな廊下。私は豪奢なドレスを纏い、パーティーへ向かうのだ。
―――カルロッタの人生が、私には不思議な事にしっかり理解出来ている。
今から向かうパーティー、私とこの国の宰相の息子―――『オスヴァルド・ブラード』様との婚約発表がされるのだ。
『表向き』は―――だが。
実際には私は断罪されるのだ。
流石悪役令嬢、しっかりその情報を掴んでいるカルロッタ。
オスヴァルド様の気持ちはもう私には無い。