第12章 私、改心しました!
「お嬢様は髪結は私でないとイヤだとまで仰ってくれました!この半年で改心なさったお嬢様は女神です!!」
「「「そうだそうだ!!」」」
「最近では私にお菓子を分けてくれて下さったりするんです。気分が悪い者がいればすぐ気が付いて寝かせてくださるんです!!」
「「「そうだそうだ!!」」」
「私達の荒ら屋にお見舞いの花を持ってきてくれたのなんかお嬢様だけだ!!」
「「「そうだそうだ!!」」」
プロム会場で叫ぶ我が家の郎党達。
「みんな……有難う。でも良いの、これは私が自らしているのです」
私はマルティン達の手を解き、又土下座する。
「婚約破棄は勿論何なりと罰をお与えください。しかし、私の一族郎党は無関係です。罰するならどうか私だけにして下さい」
言えば、場が静まった。
「パルムクランツ伯爵令嬢……フレヤ、君はどうしたい?」
アロルド様が言う。
暫く沈黙が場を支配する。
「お嬢様頑張れ!」
「お嬢様は悪いけど悪くないんじゃあ!」
「お嬢様は改心したんです!お許しください!」
使用人達が口々に言う。
「……今の私は、……ちょっと許しても良いかなって思ってます。……でも、アロルド様が助けてくれるまでの日々が地獄だったのは間違いないのです」
フレヤが言う。
「私は傲慢で私情で貴女を甚振りました。申し訳のしようもございません」
私は額を床に擦り付けて言う。
「パルムクランツ伯爵令嬢、顔を上げて下さい」
目の前に白い手が差し出される。
フレヤの手だ。
「私にはこの手を取る資格がありません」