第12章 私、改心しました!
私は―――キャバ嬢だった。
母子家庭で安アパートでの生活は厳しく、又母が恋人を作ってからは知らない人のいる光景に耐えられなくて。
十八になって家を飛び出し夜の世界へ足を踏み入れた。
最初は慣れなかったけど最終的にナンバーを張れる程度にはなって、まあ、田舎の店だけどね。
私はその時の接客技術を使い、半年、汚名―――悪役令嬢という役柄を濯ぐ事に注思した。
家臣達に優しく接した、級友達を扇動するのを止め、フレヤとは最低限にしか関わらない様にして。
フレヤは相変わらず虐められていたみたいだけど、私という頭を失って前よりは楽になったみたいだ。
私に話しかけられても辛いだろうから関わったりはしなかったけど。
そして学校も期末を迎え、プロムが開かれる。
そこで、私はアロルド様に婚約破棄される、らしい―――。
断罪イベントというヤツだ。
半年も経ってから?
と思うが、悩んだ末なのかもしれない。
まあ私には過ぎた世界だった。
アロルド様の迎えの馬車で会場へ向かい、講堂に入る。
綺麗に飾り付けられたそこにも私の心は踊らない。
私は断罪されにいくのだから。