第25章 いつメンにグレイがやって来た!
「高台はいいですね〜。とても見晴らしがいいです」
ヴァンデラだった。
「いないと思ったら、そこにいましたか」と私は天井に向かって声を掛ける。「花が落ちましたよ、ヴァンデラ」
「あ、落ちてますね……」
そこからふわっと飛び下りるヴァンデラ。そんな華奢な体つきでどう登ったか些か疑問だが、飛び下りても無傷なところ、彼女も一般人ではないことが伺える。
「彼女も今回の作戦に参加するメンバーです」
と私が紹介すると、ヴァンデラはようやくグレイと目を合わせた。
「ヴァンデラです、よろしくお願いします〜」
「グレイです! よろしくお願いします!」
彼女はいつもおっとりとしていて、戦場に似つかわしくないなぁと私は思う。それを言ったらスズランもそうなのだが。
「ヴァンデラさんは話を聞き漏らすことがあるので、何度も同じ話をしてあげて下さい」
と私が言うと、グレイは瞬きした。
「そうなんですか?」
「ええ。その内分かりますよ」
グレイもすぐに知ることとなるだろう。今回の任務で組まれた私たちいつメンの個性豊かなことを。
「あ、みんな集まったね」そこにドクターがようやくやって来た。「今回の作戦資料を持ってきたよ。何か聞きたいことがあったら聞いてね……」
私たちの作戦会議が始まる。私は、作戦資料に目を通した。
おしまい