第25章 いつメンにグレイがやって来た!
「こちらはレッドです。戦場では私たちの前に突然現れますが、彼女の戦法なので気にしないようにして下さい」
私は、ナイフを研いでいるレッドのことを紹介した。レッドはふと立ち上がり、グレイを見据えた。
「尻尾……」
レッドが小声で呟いた一言。そうだった。そこはグレイにも注意喚起しなければならない。
「レッド、いきなり人の尻尾は掴まないで下さいね?」と私はレッドに言ってグレイを振り向く。「レッドは人の尻尾をいきなり掴む可能性があります。痛くはしないと思いますが、充分お気をつけて下さい」
「はい、分かりました」グレイの返事はとても清々しい。「グレイの尻尾でいいなら、あとで触っても大丈夫ですよ!」
「いいの?」
レッドの尻尾がパタパタと動く。こうして見ると、年齢の割には幼い一面があるなと私は常日頃思う。戦場で見せるあの鋭い目付きをするレッドとは全くの別人だ。