第9章 夏だ!海だ?…の前に!
私も手に力が入る。
「あっ、は、ぁぁぁ」
中が熱い。
激しくは無いけどぬる湯につかる様なあったかいアクメ。
「しこしこぴゅっぴゅっしてちょっとは元気になった?」
真人はまだ泣いている。
だからわざと明るく言う。
「しこしこぴゅっぴゅって……」
「私達の年頃はヤリたい盛りなんだから。しっかり欲求を発散した方が勉強とかもはかどるよ!」
体を起こす真人を抱き締めた。
「泣かないでよ、真人」
「……どうせ理由は分からないんだろ?」
―――理由?
それに私は応えられないのだけは分かる。
真人の指が昨日馨が付けたキスマに触れて何度も確かめる様に撫でて。
「分からないよ」
答えて、それでも、額にキスした。