第12章 やまおり(公式戦after.)
そのまま、御厨は触れるだけのキスをした。
「気持ち良かったですか?美繰お姉様♡」
何も無かったかの様な美希微笑み。
これをたまらなく乱したくなるのだ。出来るなら―――。
詮のない話だ。
と、御厨はそっと心の扉を閉じた。
「ほら、綺麗になさい」
自分も身づくろいをしながら言う。
「疲れましたぁ」
甘えた声で言う彼女の股間を御厨がペーパーで拭いてやる。
トイレから出ると、そっと指を絡ませ、唇を交わす。
「ごきげんよう、御厨お姉様」
「ごきげんよう、美希さん」
彼女達はそれぞれ帰路につく。
それが二人の関係―――今の距離。