【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第6章 【R指定】花街に毒の華が咲く②
「……綺麗です……。」
「…そうでしょうね…。」
真面目な壬氏の従者である高順には、これが精一杯だろう。
「…はぁ…私今日はたくさん楽しめるって思ったのに…。」
「…月娘様…。今日の事はやり過ぎです。壬氏様が対応してくれなかったら、間違いなく首が飛んでいました。」
「………………。」
高順は月娘と壬氏の事は知っているから、もう月娘の身体は皇室のモノだと言っている。
本当に昔からこの男は真面目で固かった。
「馬閃(ばせん)は元気?」
「…剣術に励んでます…。」
月娘はニヤッと笑って高順の子供の事を聞いた。
それに高順は嫌な予感がした。
「高順って、壬氏と同じ薬を飲んでいるのよね。」
「子供は宦官職に就く前の子供です。」
「…………………。」
なんだか…。
このまま壬氏の思惑通りに事を収めるのに、反発した気持ちが芽生えた。
月娘は立ち上がると、徐に高順に近付いた。
「???!!!」
月娘が近付く度に、高順は彼女に触れない様に後退りをする。