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ハツコイソウ【ゴーストハント/滝川法生】

第1章 悪霊がいっぱい!?


2人が下駄箱に触れると、ほんのりと暖かい事に気付いた。
そして2人はナルが言っていた言葉を思い出す。


『ポルターガイストが動かした物は、暖かく感じられる』


その事を思い出していると、下駄箱が倒れそうになっている事に気付くのに遅れた。
背後から法生達の叫ぶ声が飛んでくる。


「嬢ちゃんたち!!」








ふと、結衣は意識が浮上した事に気付く。
辺りは真っ暗で何も見えないけれど、何故か隣に麻衣がいるような気がした。
何故か分からないけれど、気配がしたような……そんな感じがしたのだ。


(暗いなあ。でも、なんか心地いいような……眠いような……)


寝返りをうつと、手に柔らかいものが触れる。
それがいつも触れている麻衣の手だと気が付いた。


「麻衣……?」

「結衣……?いるの?」

「いるよ」

「なんか、気持ちいいね。ねむい……」

「そうだね、ねむい……」


このまま、眠ってしまおうか。
結衣は麻衣の手を握りながら、ゆっくりと目を閉ざした時であった。


ふわりと2人の額に誰かが撫でるかのように触れた。
ゆっくりと瞼を押しあげれば、そこには相変わらずの黒ずくめの姿のナルがいた。


「ナル……?」

「戻って来たんだね、よかった……」


ふと、二人はナルを見上げて目を見開かせた。
初めてみる、柔らかい笑顔を浮かべたナルがそこにいたのだから。


「あっ、あのっ、あのね!やっぱりあれポルターガイストみたい!」


顔を真っ赤にした麻衣は飛び起きて、それに驚いた結衣までもが飛び起きる。


「残念だ……ね」

「うにゃっ……!?」


2人は飛び起きたのはいいが、目眩がした。
結衣は軽くかぶりをふりながらも、隣で顔を真っ赤にさせている麻衣に眉を寄せる。


「はニャ〜〜」

「……そんなことより、もう少し休んだ方がいい」


ナルは優しい笑顔を浮かべたまま、麻衣を寝かしつけてから結衣も寝かしつける。
そして優しい手つきで二人の髪を撫でた。


「いつも、そんなふうに笑ってればいいのに。アリガトね」


そんな麻衣の言葉を聞いてから、結衣は何かに引っ張られるかのように意識がまた浮上する感覚を感じだ。


「…………あれ?」
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