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ハツコイソウ【ゴーストハント/滝川法生】

第7章 血ぬられた迷宮



「ひゃー……すご……。日本にこんなお屋敷があるんだねぇ……」

「うひゃあ……大きいなあ……」


あたし谷山結衣は双子の妹と共にこの春、めでたく高校二年生になった。
といっても特別何かが変わったこともなく、今回もお仕事に来ている。

今回の調査の依頼を受けたのは、とあるお屋敷。
西洋風のアメリカなどにありそうなお屋敷は大きくてとても広くて呆然としてしまう。


「凄いなあ……」


今回のメンバーも相変わらずである。
SPR所長であり上司のナル、その助手のリンさんとお馴染みの協力者のぼーさん、綾子、ジョン。


「確かに凄いけどこれじゃ幽霊屋敷よ」

「……だからおれたちが来たんだろうが」

「あ、そっか」


綾子の言葉にぼーさんは『やれやれ』と言いたげにしていた。


「なによ、その馬鹿にしたような態度は!!!」


相変わらず、協力者達は煩い。


「相変わらず、仲良しさんですねぇ」


そして今回、なんと何故かあたしたちの中に前回の事件の関係者である安原修さんまでいる。
前回の事件の関係者の安原さんが何故いるかというと、それは五日前に遡る。


ー五日前ー


その日、相変わらずあたしと麻衣は暇な時間をオフィスで過ごしていた。
ナルは相変わらず興味のない仕事は受けないし、人もなかなか来ないで暇を持て余していたのだが……。


「こんにちは」


珍しくオフィスの扉のドアベルが来客を知らせた。


「いらっしゃいませ」

「ご依頼でしょうか?」


オフィスに入ってきたのは、20代前半ぐらいの綺麗でふわふわしたような印象の女性だった。
彼女はにっこりとあたしと麻衣に微笑むので、あたし達も釣られて微笑んでしまう。


「所長にお目にかかりたいんですけど」

「所長ですか?」

「すいません、いま留守にしてて」

「あら……」


ナルは現在旅行中である。
相変わらず何故に旅行に行き、何のために行っているのかは不明であり教えてくれたことはない。


「じゃあ、リンいます?」


女性の言葉にあたしと麻衣はぽかんとする。


「あ、リンさん……」

「リン……さんなら奥に。あの……失礼ですが」

「あ、ごめんなさい。森といいます、森まどか。そう言っていただければわかります」


まさかのリンさんを呼び捨て。
あたしと麻衣は思わず驚いてしまった。
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