第10章 【後輩】
再会は
早かった。
桜が舞い散ったのも昔の、梅雨の頃。
教師の話を熱心に聞くフリをして姿勢を正す。
脳内にあるのは、数ヶ月も前に助けたあの少年の顔。
ーーーやっぱり俺、かなりの"善き人"だよな...!
「さて、転校生を今日は紹介するぞー自己紹介して下さい」
ーーー霧橋想..あの少年は俺の勲章だ...っ!!
担任の話もロクに聞かず、思わず机の下でガッツポーズをとってしまった。
我に返った俺は、やっと転校生を視界にとらえようとする。
担任にグッと肩を押され、前に出たのは..
「霧橋想です」
「...!」
緊張と恥じらいのためか、彼は頬を若干紅潮させていた。
あの時とは違う、ウチの高校の制服を身に纏った姿..
「よろしく、お願いします..」
俺と同じ、学ラン..
ゴクリと生唾を飲み込む。
ーーーきた、のか..
「えー、霧橋さんは、ご両親の都合によりこの時期に転校となった。みんなよろしくーー..」
ーーーおっ..、
血潮が熱くたぎる。
ーーー俺を...!!
霧橋想の全身を、下から上まで全身見た。
ーーー追って、きたのか....!?
霧橋想は、みんなの視線に耐えきれず..ふ...と、絶妙な微笑みを見せた。