第9章 【初恋】
「謝らないで...?僕今日、山田くんと会えて嬉しくて...はしゃいじゃったねぇ」
ふふふ...と、先生は若干照れ笑いをした。
ーーーか...可愛い...!
「おっ、俺もその...ッ!せ、先生と会えて、嬉し...!来週も、俺は先生と会いたい、ですッ...!」
ええい、この勢いのまま次にも繋げちゃえ!と思って口走ってしまう。先生の顔を、ふきふきしながら。
「ん〜ごめんねぇ...来週は用事があって会えないんだぁ...」
「そ、そうなんですか...」
ちょっと落ち込む。きっと、他の男子生徒とデートする予定でも入っているのだろう。
ーーー俺ってなんか、ホント大多数の中の1人でしかないよなぁ...
「3ヶ月後の休日なら、会えそうっ」
ーーーさ、さんかげつご...!?
「はっはいっ!先生っ!」
ーー!嬉しい...会って、くれるんだ...!!
そして犬のように、心の中で耳と尻尾を出した俺は、完全に先生の思うがままに操られているのだろう。
俺は初恋の女の子にだって、こんな風に翻弄されてたもんな...完全に好きという事がバレて...
ーーーそれでも構わねぇ。
俺は、先生の胸に顔をくっつけた。先生の熱を、そのぬくもりを頬に擦り付ける。
ーーーいつか...いつか俺は、
先生の、本命に...