第7章 【彼氏】
「.....え?本当に浮気は、俺の誤解だって!?」
部屋の角に雷を置き、雷から遠いところで僕は正座した。
ニコニコと、微笑む。
「つーか!なっ、なんで俺はこんなところで縛り付けられなきゃいけないの!泪っ!」
学校の縄跳びで、ちょっとだけ縛らせてもらった。
雷も雷で、縛られている間は特に抵抗はしなかった。僕に乱暴しすぎた事を自覚しているのだろう。
「本当にごめんねぇ....雷、こうじゃないと本来、僕はいつも通り喋れないからねっ、たはっ」
雷は納得し、口を尖らせて静かになった。
「昨日の、僕が一緒にいた、その綺麗な顔した男の人っていうのはねぇ....」
その瞬間、ガチャリ、と泪の部屋のドアが開かれる。
「それ、この僕ーーー皇空の事ですねぇっ」
雷は、僕の兄ーー空くんを見て、口をあんぐりと開けていた。