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いろんな短編

第1章 曲パロ あの夏が飽和する。(刀剣乱舞)


刀剣乱舞 浦島虎徹と白夜江(白夜江はオリジナルキャラ)

「昨日人を殺したんだ」

君はそう言っていた。
梅雨時ずぶ濡れのまんま、部屋の前で泣いていた。

夏が始まったばかりだというのに、
君はひどく震えていた。

そんな話で始まる、あの夏の日の記憶だ。


「殺したのは本丸で権力振るってるサニワ」
 「もう嫌になって気づけば本体出して」
 「刺しどころが悪かったんだ」
 「もうここには居られないと思うしどっか遠いとこで折れてくるよ」
そんな君に俺は言った。

浦「それじゃ俺も連れてって」

本体を持って、
お守り持って、
根平糖、刀装カバンに詰めて、
いらないものは全部、壊していこう。
あの写真も、あの日記も、今となっちゃもういらないさ。
審神者殺しとダメ刀の蒼と俺の旅だ。

そして俺らは逃げ出した。
この狭い狭いこの世界から。
家族も本丸の奴らも何もかも全部捨てて蒼と二人で。
遠い遠い誰もいない場所で二人で死のうよ。
もうこの世界に価値などないよ。
審神者殺しなんてそこら中湧いてるじゃんか。

君は何も悪くないよ。
君は何も悪くないよ。


結局俺ら誰にも愛されたことなど無かったんだ。
そんな嫌な共通点俺らは簡単に信じあってきた。
君の手を握った時微かな震えも既に無くなっていて、
誰にも縛られないで二人、線路の上を歩いた。

金を盗んで、二人で逃げて、
どこにも行ける気がしたんだ。
今更怖いものは、僕らにはなかったんだ。
額の汗も、落ちたアクセサリーも
「今となっちゃどうでもいいさ。
 あぶれ者の、小さな逃避行の旅だ」

浦「いつか夢見た優しくて誰にも好かれる審神者なら、
汚くなった俺たちも見捨てずにちゃんと救ってくれるのかな?」
「そんな夢なら捨てたよ、
 だって現実見なよ?
 シアワセの四文字なんてなかった、
 今までの生活で思い知ったじゃないか。
 
 自分は何も悪くないと誰もがきっと思ってる」
















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