第5章 Z=4 ガスマスク+シールド>H2SO4
一方その頃の司帝国-----------------
ゲンは槍を持った黒いマント羽織った男の後について行く。
洞窟のさらに奥深い、薄暗い場所へ。
暫く歩くと、竹で作られた鉄格子がみえた。
モゾモゾ。
きぃ。
暫くすると、縄がするりととけ、竹で作られた扉が開く。
男は黙って中に入り、その牢屋の主に声をかける。
「起きてください、シーラくん。仕事、ですよ。」
シーラと呼ばれた女性は、辛そうに体を起こす。
白髪が美しく、その肌は死人のように白い。
そして、なんとも言えないプロポーションに小顔で西洋風の顔立ち。
そして、弱々しくひらいたピンクの瞳は、色は紫に近いが、まるで------
(ルーチェちゃんに、ほんとそっくり。最初は双子だと思ったんだけどねぇ。世の中何があるかわからない。)
ルーチェの姿を松明の炎だけで照らすと黒いドレスをまとったシーラの姿が照らし出される。
もっとも、首には縄が掛けられており、その縄は壁につながっている。
それがミスマッチなのに、それすらも美しいと感動に浸る。
「ゲンくん、どうしましたか?シーラくんと会うのも初めてではないでしょう。さ、どうぞ。彼女に手当してもらいましょう。」
「あ、うん。ゴイスー痛くてさ。立ってるのもやっとなのよ。」
「そうですか。では、私は外に出ています。終わったら速やかにでてきてください。」
そう言って男は牢屋の入口に立ち尽くす。
ゲンいまか、とおもい、シーラの枕元に立った。
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