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幻想科学物語

第14章 Z=13 決着






ところ変わってとある場所にてーーーー


「っち、あの女、少しは使えると思って力を与えたのに…」


とある森の中にある木の家の中。
部屋の中はシンプルで、ベッド以外何も置かれていない。


ただ、室内の壁に人が繋がれていることを除けば、普通の部屋だった。


ベッドの上には真っ黒なローブを深くかぶった青年が座っており、彼が苦虫をつぶしたような表情で殺気を放つ


「まぁいい。向こうが来なければ我が出向けばいい。そう思わないか?」


青年はそういうと、壁に繋いだ女の人を見る。
女の人は十字に磔にされ、口元は布みたいなものでふさがれている。


意識はあるのか、女性は青年のことをおびえたような目で見ていた。


「ふ、そんな怯えるなよ。ただすこし痛いけど、我の仕置きは優しい。あの原黒狸よりかは、な?」


そういいながら、どこからともなく短剣を出し、女性の方に近づき、切っ先で体のラインを撫でる。


「…!?」


女性はその刃の感触に体をぶるっと震わせ、顔を青ざめさせた。


青年はその様子にニンマリとする。どうやら今のこの光景が愉快tだ、とも言わんばかりに満足そうに笑った。


「この島からは出てはいけない、村の掟を破ったのはお前だ。俺に見つかったことで、少なくとも生きることはできる。うれしいだろ?」


そういうと僅かに動く首を全力で首を振る女性。
青年は構わず、女性の腕に切っ先を当てた。


「せいぜい、いい声で鳴けよ?」


囁きながら女性の体を傷つけると、盛大な叫び声が室内に響いた。

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