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幻想科学物語

第14章 Z=13 決着





「フラーム・エクスプロダム」


ルーチェがそう唱えると、洞窟の少し手前からパリン、と割れた音の後にガラガラと崩れる音が聞こえ、結界が割れた。


その壊れた音は千空にも聞こえたのか、ゲンにむかって、打て、と指示をだす。


どかん!


スチームゴリラ号から洞窟目掛けて大砲が打ち込まれる。


戦車の下には罠が張り巡らされているが、それはルーチェの強化魔導で軽々しく乗り越えていき、ぎりぎりまで近づくことに成功。


戦闘員はスチームゴリラ号の後に続き、罠を避けて奇跡の洞窟へと歩みを進める。


「き、きしゅうだー!!!」


敵が叫ぶ頃に時すでに遅く、コハクがまずは敵の顔を踏みつけ、敵陣の中心に降り立った。


(敵のこの初撃をどう捌くか。下手に捌けば死人が…)


思考しているところに既に5人に囲まれるコハク。
そこへ大樹がカーボンの盾を持って飛び降りたため、敵の武器はあっけなく折れる。


「心配するな!攻撃は俺が一番前で全て受け止める!」


そう言うやいなや、村民たちの前に躍り出て前に進む。
コハクはフン、と喉を鳴らしたあと、何かを思いついたかのようにみんなにむかって叫ぶ。


「武器だ!武器を叩きおとせ!」


コハクの指示通り、金狼、銀狼、マグマといった主力部隊が敵の武器をたたき落としていく。そして、コクヨウたち、大人の戦闘員が次々と敵を縛りあげ、後方の方はあっさりと決着は着いた。


ここまでは、残り13秒の出来事だった。

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