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幻想科学物語

第12章 Z=11 作戦会議






千空の言葉にルーチェは複雑な気持ちを覚える。
ひとつは母との接触が途絶えたことのショック、もうひとつは司帝国にこちらの情報が漏れすぎてないことへの安心感だった。


ルーチェは本日何度目かの溜息をつき、3人の姿を捉えて口を開いた。



「…My job is to heal wounds, not hit high notes—but I’ll try, okay?
(私の仕事は傷を癒すこと。高音を出すのは専門外だけどやってみるわ。)」


「Ah, that's enough.
(あぁ、充分だ)」


ルーチェが流暢な英語で、アメリカっぽく了承すると、千空も英語で返す。その2人の表情はとてもいい笑顔を浮かべた。


「ん?今の2人、なんていったんだ?」


「ルーチェちゃんは医者だからリリアンみたいな高音はでないよ、っていったの。
それに対して千空ちゃんは構わないよ、と返したの。クロムちゃんにも英語おしえないとねぇ。」


「いや、遠慮しとくわ。千空の科学解説で頭パンクしそうだっつうの。」


「あぁテメェら、英語講座の前に作戦会議だ。ルーチェの同意も得られたし、こまけぇ詰めしていくぞ。」


そう頻繁に村から離れると怪しまれるだろ、というと、クロムはたしかに、と納得する。


4人はそれぞれソファに座り直し、真剣に、だけど時にはクロムの妨害や千空のトンデモ発言に頭を抱えたり、といったやり取りを交えながら時間を経つことも忘れて作戦会議をおこなった。


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