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幻想科学物語

第7章 Z=6 医者と魔導士と科学者と






「千空、あれ使っていい?」


「いや、普通に考えてダメだろ。争いの元になるわ。」


「ッチ」


「舌打ちしてねぇで、サルファ剤でなんとかなんのか、どーなのか教えやがれ。」


ルーチェは千空のことを睨みつけるが、さっさとしろと言わんばかりに千空もルーチェに視線を送る。
音聞いただけで、わかるか、思いながら、大まかな予想を告げようと口を開く。


「これまでの脈より心臓に問題はない、とおもう。ただ、肺に水が溜まっているような、そんな声の響き方だった。おそらく異常があるとしたら、肺。」


「つまり、サルファ剤を試してみる価値はあるんだな?」


こくりと頷く。千空はもっていたサルファ剤を葉っぱの上にのせ、ルリの口元に添える。
ルリは口をあけて、その葉っぱの薬を受け入れるように自分の口に流し込んだ。


全部飲みきったことを確認してコクヨウが千空とルーチェに確認をとる。


「これで本当にルリが良くなる、というのかね?」


「血液検査してみないとわからない。けど、肺炎だったら五分五分。」


「どういうことだ!ルーチェ。千空と君は絶対治るって…」


「このストーンワールドで医療設備が崩壊してる今、こっちも手探り状態。サルファ剤で完治出来ない場合、力を使わせてもらう。」


ルーチェはみなに宣言するように伝えると、周囲に目を配らせる。
よーく見たら、ちかくにネズミの死骸が転がっていたので、それをシャツの上にそっとのせた。


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