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幻想科学物語

第6章 Z=5 魔導騎士と科学王国民






「今のところ、ルリの容態は横ばい。さっき見た時より悪化も良くもなってない。気道も声帯も無事。」


「はぁ、そうかよ。なら、まだサルファ剤の投与の余地はある、ということだな、お医者サマ。」


「サルファ剤?」


「くくく、先代サマは気にせんでいい。詳しい説明は今度するわ。とりあえず、一刻を争う。協力してもらうぜ。」


そういって千空はカセキをつかみ、橋の方へと歩こうとするが村人たちによって防がれる。


「おっと、今日の主役がどこへいく。きっちり今夜の宴会には参加してもらうぜ、長。今日は皆で夜通し飲み明かす婚礼の義だ。」


「ほーん、そっか。なら離婚!」


千空がそう言うと、再び固まる、村人たち。
そんな村人なぞお構い無しに、カセキをつかみ、橋へとダッシュする。


「酒&酢、大量ゲットだぁ。とっとといくぞ、科学王国民どもぉ!」


そう叫びながら酒とお酢を持って向こう岸へと消えていった。


「無茶苦茶な。 」


「ぐぬぬぬ、アイツを捕まえろーーーー!」


おおーっと村人たちが追いかけようとする中、金狼が前に立ちはだかる。


「コクヨウさま、千空たちは悪ではありません。」


「なにい?」


「自分に説明させて下さい。彼ら妖術使い、いえ、科学使いがこの半年間、何をなそうとしてきたのか、この目でみてきたことを。」


「ふん、そこまで言うなら聞かせて貰おうか。アイツらが何をしていたのか、をな。」


コクヨウは村人たちに留まるように指示をだし、その場で金狼に語るようにうながした。


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