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幻想科学物語

第6章 Z=5 魔導騎士と科学王国民






会場に戻ると、ちょうど試合開始時間だったのか、金狼とマグマが舞台に立っていた。


クロムは、コハクのことをジャスパーに掛け合うも、試合開始時に戻らなければ、失格とする、といって試合開始の合図を行う。


そして、金狼対マグマの試合が始まり、最初は金狼が優勢でマグマが受身をとっていた。それに対して周りは金狼の勝利を確信していたが、マグマが距離をとる。


すると、金狼は、間合いの距離を図ろうと目をかすめる。
その様子にギャラリーは静かに見守るが、千空たちはなにか金狼の行動に怪しむ。


「あ?どした?金狼のやつ。」


「マグマも1歩も動かねぇ。」


「金狼はね、モヤモヤ病なんだよ!スイカがそうだから分かるんだよ!」


「あ?スイカ、無事だったんかよ。」


スイカは千空の声にこくりと頷く。千空がスイカから話を聞いて間に、マグマの一方的な蹂躙が続く。
どうやら、金狼が間合いを詰められたらしい。金狼はマグマの打撃に耐えられず、地面へと背をつけた。


(くっ…ここまでか……)


金狼が諦めかけた時、空が視界に入る。その空には銀狼やコハク、クロム、千空、スイカ、ルーチェの科学王国民がこちらをみていた。


(いや、まだだ、俺には背負うものがある。立ち上がらなければ。)


金狼は立ち上がろうと、体を起こす。
そして、体を起こしたところに、スイカの叫び声とともに何かが飛んでくるものがみえた。


「科学の目だよ、金狼ーーー!」


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