第2章 防衛隊選別試験
そんなこんながあって、とうとう2次試験の日がきてしまった。
試験会場は立川基地だ。
もしかしたら保科副隊長に会えるかもしれない。と一瞬頭に過ぎったが、それを打ち消し、防衛隊員になる為に来たのだと自分を叱咤する。
駐車場で防衛隊長官 四ノ宮功の娘、四ノ宮キコルちゃんに会ったが、なんだかちょっと苦手だなと思ってしまった。
なんというか、自己中というかなんというか…。
その後、体力試験をなんとか終えて、次の審査を受ける為、第2演習場の前にきた。
そして見つけてしまった。鼓動が勝手に早くなる。
私は防衛隊員になる為にここにいるのに、私の心は強くあの人を求める。
「僕は今回、2次試験の選考員長を任されとる、第3部隊副隊長の保科や。適性審査はこちらの演習場でやってもらう。」
ダメだ、抑えろ。
私は恋愛をしに来たわけじゃない、防衛隊員になるんだ。
高鳴る鼓動を零してしまいそうになる想いを、心の奥底に閉じ込めろ。今まで出来てたじゃないか。
必死に想いを押さえ付けながら副隊長の話を聞いていると、どうやら次の試験はここの演習場で怪獣を討伐するそうだ。
生身だと危ないのでスーツを着ることになる。
スーツの戦力をどれだけ引き出しているかの指標、解放戦力が測定される。
解放戦力、3%…?
え、低くない?
市川くんですら8%なのに…。
5年間ずっとトレーニングを怠ったことはない、それでもこんなもんなのか。
四ノ宮キコルちゃんは…46%!?
やっぱりすごいなぁ。
どうやら、今の時点で0%じゃなければ合格らしい。
日比野先輩は0らしいが大丈夫なのか…。
先輩の心配をしている場合ではないか。たった3%なんだから。