第29章 マッサージ✿番外編
「なぁ、なんで怒っとんの?……なぁって!」
「うっ…。」
ベッドの上で端に寄り背を向けていると、お腹に手を回され引き寄せられた。
後ろから抱き締められて身動きが取れない。
なんで怒ってるのかはまあ……産まれたばかりの子供を抱えて基地に行ったら、女性隊員の頭を撫でながら可愛ええなと言っていたからだ。
「静かにして、起きちゃう。」
目の前の娘の手を触りながら静かに呟く。
ベッドにくっつけたベビーベッドに寝かせている。
「まだセックス出来んの?」
娘の手を触っている指がピクっと動いた。
医者の許可は出てる、でもまだしたいとは思わない。
お腹にある手が胸に伸びて優しく揉む。
その手を取って起き上がった。
「口でならするよ。」
彼の股間に手を這わせて硬くなっているソコを撫でた。
「嫌やぁ、もう口あかん〜…。」
なんなんだ、妊娠中は口でしていたのに。
触っていた私の手を取って引っ張るので、胸に顔をぶつけてしまう。
痛いと言えばごめんごめんと軽く謝り、頭を撫でてくる。
「セックスはまあ、あとからで…なんで怒っとるん?」
あれくらいで怒ってるなんて、恥ずかしくて言えない。
忘れよう、そう思うのにあの場面が頭から離れてくれない。
これ…と頭を撫でている手に触れる。
「私以外の子にこれしてた、可愛いって言ってた。」
「……ごめんなぁ、変な意味はないで?君の場合はあるかもやけど…やから、許して?」
考える素振りをしてから、へにゃと締まりのない顔で笑い始める。
「こんなことで嫉妬してごめん…。」
「なんで君が謝るん?僕、嬉しいで?めっちゃ可愛ええし。」
好きぃ〜と言いながら胸に顔を擦り付けた。
僕も好きやでとぎゅうと抱き締められる。