第25章 とある一週間✿番外編
訓練場を後にし私を抱きかかえどこかに向かっている。
洗い流すにも大浴場だとダメだし、そもそも男女で入れるわけがない。
「動いたらあかんで。蜂蜜零れてまう。」
そう言われたので、彼の腕の中でじっとしていると、副隊長室に入り彼の部屋に入る。
そのままシャワー室に入ってシャワーを出し、スーツを着たままの私にかけた。
「スーツの中は大丈夫か?」
「はい…中には入ってないです。」
私の身体についた蜂蜜を洗い流すと、私に触れたことで自身についたものも流していく。
流し終えたのか、髪を洗うと一声かけてから頭からシャワーをかけられた。
髪についた蜂蜜を一通り流し終えると、シャンプーで髪を洗ってくれる。
全て洗い終わりシャワー室から出て、タオルを渡されたので、それで身体を拭く。
どうして、こんなことをしてくれるのだろう。
自分でも出来るし、まだ怒っているはずだ。
「あの、宗四郎さん…。」
「副隊長やろ。すまんが、髪乾かす暇ない。はよ戻らんと。」
彼はちゃんと私の訓練を見てくれていたのだろうか。
ずっとキコルちゃんと話していたのではないか。
そんな不安が付き纏う中、シャワー室を出ていく彼についていく。
亜白隊長やキコルちゃん、取材班の方たちは武器保管室に移動したようなので、私たちもそちらに向かう。
全然話してくれない、喋るなという雰囲気がヒシヒシと感じる。
モヤモヤしたまま武器保管室についてしまったので、気持ちを切り替えて中に入る。
入室した瞬間、取材班の方にどういう関係なのかと食い気味で質問された。
「別にそんな、言葉にするような関係ではないですよ。なので、僕たちのことはオフレコということで。」
彼は私を背に隠し、ニコニコと対応する。
何も言うなということだろう。
取材班の方は残念そうな顔をしてわかりましたと言い、私たちの前からいなくなる。