第24章 保科の休日✿番外編
その時、警報音が鳴り響いた。
『緊急怪獣警報 緊急怪獣警報 調布市に怪獣が発生しました。フォルティチュード3.8』
怖いよぅと嘆く子供たちを館長さんたちは避難させ始めた。
泣き出してしまった子に宗四郎さんは近寄り頭を撫でる。
「そやで、安心しぃや。怖い怪獣は僕がやっつけてくる。応援頼むで。」
優しい彼の声に頷いた子はみんなに続いて避難した。
副館長に出るのかと聞かれ彼は頷いた。
みんなも出ると言うが、みんなは非番で緊急出動に備えた待機要員でもない。
だがみんなは闘志に漲っていた。
彼もそれには気付いたようだ。
「やれやれ、どいつもこいつも、ワーカホリックや。」
市川くんがそんな彼に声をかけた。
「お言葉ですが、隊服の下にスーツまで着込んで。副隊長こそ、休み下手なようですね。」
襟を掴んだ彼は笑う。
市川くん気付いてたんだ…襟を気にしていたし、いつもは上まで閉めないファスナーも今日は閉めていた。
市川くんに揶揄われた彼をつい笑ってしまい、慌てて口元を押さえる。
後で何を言われるか…。
「上官を揶揄うのはよくないで。まあええわ…行こか。」
ジャージを脱いで肩に掛けた彼に続き、私もジャージを脱いで後を追う。
さて、怪獣討伐の時間だ。