第17章 宗四郎
「ちゃんと起きて飲みぃ。」
可愛いてしゃーないが、口移しで飲ませててもあかんと思い、起き上がらせる。
ベッドの上にペタンと座った彼女にペットボトルを渡すと、小さな口をペットボトルにつけて飲み始める。
上下する喉を見ていると、また興奮してきそうなので、すぐに目線を外した。
返ってきたペットボトルのキャップを閉めて、横になった彼女の隣に横になる。
「好き…。」
そう呟いて胸に顔を擦り寄せキスをしたと思ったら、吸われた。
唇を離し私のと呟く彼女が可愛くて抱きしめてしまう。
ほんまに可愛すぎる、食ってまいたい。食ったけど…。
ウトウトとしてきた彼女を見て頬を撫でた。
「おやすみ、美影。」
「ん、宗四郎、おやすみ…。」
この腕に閉じ込めて誰の目にも触れさせへんようしたい。
最後にギュッと抱きしめて離し、仰向けに寝かせた。
そっと、胸の傷に口付ける。
美影はもう寝たようだ。
下から傷痕を舐め上げて何度もキスをした。
こうして彼女が寝た後はよく傷痕を舐めたりする。
たぶんバレてないと思う。
舐め続けたら、この痕が消えればいいのにとさえ思う。
僕が彼女を傷付けた証拠や。
「はぁ…僕がもっと早くカフカやと気付いていれば…。」
彼女の胸に額をつけ呟く。
ほんまにごめん、今でもたまに傷が疼いているのを知っている。
一生懸命隠そうとしているが、僕、気付いてんねんで?
最後にもう一度だけ傷痕に口付け唇にキスをし、彼女の頭を抱えるように抱きしめて微睡む。
「早く結婚しよな、おやすみ…。」