第16章 10号
宗四郎さんは急に忘れていたと謝る。
なんのことだろうと首を傾げながら彼を見た。
「明日から第二台場で第1と第3の合同演習が行われる。せやから、今日は君のこと見てあげれるんやけど、明日からはちょいと厳しいかもしれん。」
「え……今?今それ言う!?1日でどうしろって言うのよ…。」
ごめんやんと頭を撫でてくる彼を睨んで頭を抱えた。
とにかく、今日1日で10号スーツと武器に慣れなければいけない。
ナンバーズは長時間の使用は出来ないはずだ。
どうする…演習が始まれば彼は副隊長という立場なので、私に付きっきりということは出来ないだろう。
鳴海隊長はキコルちゃんに付きっきりらしいが…。
「早く!早く行こう!時間ない!」
少しの時間ももったいないので、彼の手を引いて科学班の方にお礼を言いながら部屋を出る。
彼の手を引いているが、ナンバーズがどこにあるか聞いていない。
10号と同じところにある感じはしなかった。
足は動かしながらキョロキョロしていると、こっちやと手を引かれ走り出す。
地下に来るとここやと行って扉の前で止まる。
「着たら、強化装甲演習室に来るんやで。」
それ、どこ…。
どこか聞くと、前に宗四郎さんと10号と戦ったとこらしい。
すぐに返事をして、部屋の中に入る。
通信機をポケットから出し耳につけ、真っ赤なスーツを着る。