第15章 不信
訓練室の扉を開けると、汗を拭きながら水を飲む彼がいた。
宗四郎さんはすぐに私の存在を確認して動きが止まる。
「は……え…なんでいるん?」
彼はすぐに私に駆け寄ってきて抱きしめた。
「来てくれたん?なんで?…めっちゃ嬉しい。」
訓練が終わったら少し話したいと言うと、わかったと言って離れる。
汗かいてるのにごめんと謝る彼を見て、笑みが零れた。
抱きしめる代わりに手を握ったまま見つめられたので、どうしてそんなに見つめてくるんだろうと、首を傾げながら見つめ返す。
「オペレーションルームいたんやろ?もう休憩終わるから、また戻って見といてや。」
チュッと音をたてながら額にキスをして刀を握る彼を見て、オペレーションルームに戻った。
訓練を終えた彼はシャワーだけ浴びさせてくれと、副隊長室に行きシャワー室に入る。
時間はないけど、さすがにシャワーは浴びたいよね…。
10分くらい待っているともう上がったようで、髪を拭きながら全裸のままで戻ってきた。
そのまま髪を拭いていたタオルを腰に巻いて、ベッドに座っている私の隣に座る。
「ごめんなさい、言いすぎた。」
「それ言う為にわざわざ来たん?嬉しすぎるやん。」
電話に出てくれないからだよ、という言葉は飲み込んで、これからはなんでも言うこと聞くねと言えば、まだ怒ってるやんと眉間に皺を寄せる。