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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第12章 識別怪獣兵器10


腰の横に帯刀した刀の柄に手をかける。

すぐに全解放をして一旦距離を取り、見えない斬撃を放ち、すぐに宗四郎さんに向かって走り出す。


「霞討ち!」


即座に右手に持った刀で彼に振り翳すが、その攻撃はしっぽによって弾かれた。


「そのしっぽ、便利過ぎない!?」


「やから言うたやろ!僕だけやないて!」


すぐに距離を取り、彼を見据える。


刀とナイフでと保科流刀伐術を使えることがわかった。

このまま攻め続ける…が、何度技を繰り出しても、躱されたりしっぽで弾かれたりと、なかなか攻撃が当たらない。

しまいにはしっぽで吹っ飛ばされる始末。


あのしっぽ…うざい。


その時、10号の楽しそうな声が響いた。


「保科、お前…昨夜、あの女を抱いてたのか。」


「……黙れ。」


「随分激しく抱いたようだな。……こいつ、心の中でずっとお前に謝ってるぞ。」


怪獣にもそういう知識があるのか…。


宗四郎さんが動揺しているうちに、返し討ちを使う為駆けていく。


まだ10号が何か言っているようだ。

お前でも好きな女の前では欲を抑えられないようだなと、なんとも楽しそうだ。


「ほんまにお前、黙れや!!戦闘中やぞ!…っ!?」


やばい!当たる!

10号と話している宗四郎さんの集中力が途切れ、私の攻撃を躱せずに当たりそうになってしまったので、彼の上を刃が当たらないように背中を反らせて通り過ぎた。


小此木さんの声で戦闘は中断された。
宗四郎さんのバイタル以上で…。

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