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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第12章 識別怪獣兵器10


ロック画面を彼に見せるとスマホを奪われたが、開くことは出来ないだろう。

私ではないので指紋認証や顔認証が出来ないので、パスワードを打つしかない。


私の方にスマホの画面を向けてきたが、顔認証されない為に手で顔を隠した。


「ほんなら…パスワード当てたる。」


ずっと私のスマホを握ったまま考えてるのでソファに座らせて彼の髪を弄った。

前髪を束にして持ち上に上げ、テーブルに置かれたコームで整えてヘアゴムをし、ピンで止める。

ポンパドールみたいにしてみた。


私も前髪を同じようにされたのだ。
おでこを出すのはちょっと恥ずかしいのに…。


それにしても、宗四郎さんのデコ出しの破壊力よ…。
顔がいいから、何してもかっこいい。


「お、開いたで。」


「え!?なんで!?やだ、消さないで!」


どうやら彼は私が設定したパスワードを解いてしまったらしい。

途端に恥ずかしくなる。


数字4文字の簡単なやつだからしょうがないけど…1121なのだ。
宗四郎さんの誕生日。


消されたくないのですぐに手を伸ばすが、ひょいっと躱され、立ち上がり腕を伸ばして、私が届かないようにされる。

そこまで身長差はないはずなのにどうして届かないの…。
腕の長さが違うと言うのですか…。


「お願い…消さないで…。」


「わかったわかった。消さへんから、ロック画面はやめてや。一緒にちゃんと撮ろ?」


本当に消してない?と彼を見上げると、消してないと笑う。


「ほんまに消す思たん?君が嫌や言うとるんやから、消すはずないやろ?」


おいでと肩を抱かれ、彼が持つスマホを見た。

すでにカメラにしているようだ。


ほっぺがくっつき笑うと、シャッター音がした。

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