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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第12章 識別怪獣兵器10


というか、そのコームはなんなのだ。
まさか、他の女が使っていたものではないのかと彼を睨む。


「そないなわけあらへんやろ。僕、君以外と付き合うたことないし、君以外の女、ここに入れてへんわ。」


つ、付き合ったことない…?
本当にただ適当に発散させてただけなのか…。

よくよく考えてみれば、あんなに努力をしていたのだ、恋人に費やす時間もなかっただろう。


「そのうち君をここに連れ込もう思て、買うておいたんや。必要やん?」


着替え終わった私をソファに座らせてコームを髪に通していく。

アレンジしてもいいか聞かれたが、ご飯が冷めると言えば、食べ終わってからやらせてくれと言われた。

この男はどこまで器用なのだ…女性のアレンジまで出来るというのか。

したとしてもすぐ崩れてしまうのに…。


作ってくれたご飯を食べ終わり、歯磨きをしてまたソファに座らせられた。


ニコニコしながらピンやヘアゴムを持ってきた。

何故そんなものがあるのかと聞けば、元々自分で使っていたものや、コームと一緒に買ってきたものだと答える。


スマホを取り出し何かを見ると、これをやるとそのまま私に手渡ししてきた。

自分のスマホを彼女に簡単に渡すということは、見られて困るものがないと思っているのか、はたまた、私が詮索しないと思っていのか…。


スマホの画面を見てみると、ローポニーというものをするようだ。


「ねぇ、もし私がメッセージ履歴を確認させろって言ったら、させてくれるの?」


本当に確認するつもりはない。


「ん?そうやなぁ…それなら見てええけど、仕事用の方はあんま見せれへんなあ。」


確かに副隊長補佐官と言っても知ってはいけないものもあるだろうし、今は第1部隊の人間だ。


見てもええけど、信じてくれてないん?と冗談っぽく笑って問いかけてくる。

見ないよと言ってスマホの画面を暗くし、ローテーブルの上に置いた。

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