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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第11章 不調


ゆっくりと起き上がり、宗四郎さんに手を貸してもらいながら立って、医療班の人にお礼を言って、2人で隊長室に向かう。


歩いていると、彼に原因はなんだったのか言うのを忘れていたので話したら、僕のせいやね、ごめんと謝られてしまった。

慌てて宗四郎さんのせいだけじゃないと否定した。


隊長室につき、今すぐ来いと言っていたのはなんだったのか、鳴海隊長に確認する。


「あれは…そのオカッパが来たから、会いたいだろうと思って…。」


背を向けゲームをしたまま答える鳴海隊長に笑みが零れた。

やっぱりあなたはあの時のまま優しいお兄ちゃんだ。


「ありがとう、弦お兄ちゃん!」


そう呼ぶのはこれが最後。

もう過去は過去なのだ。


鳴海隊長が腕を上げてシッシッというように手を振ったので、私たちは隊長室を出た。


出た瞬間、宗四郎さんが弦お兄ちゃんってなんやとうるさいので、そう呼んでたと教える。

今もそう呼んでるのかと問うので首を横に振って、もう呼ばないと言った。


持つ物がないならこのまま行こうと手を引くので、財布とか持ってないがいいかと思い、そのまま大人しく並んで歩く。

何か買うとしても、スマホがあるから大丈夫だろう。


スーパーに行くと言うので、電車に乗り宗四郎さん家の最寄り駅で降りて、その道のりを歩いていたら、何かを思い出したように声を上げた。


「この下スーツやった。あと、洗ってもろうてるの、有明に置いてきてもうた。」


色々忘れてるなあと思い、笑いながら立川に行こうと言って、進む先を変える。

有明に置いてきたものは私が預かっておくことにした。


立川基地につき、彼が着替えるのを待つ。

彼が着替え終わり、まだ残っていた亜白隊長に挨拶をしてからスーパーに向かった。

途中で薬局に寄りたいという彼についていくと、手にした箱を見て顔を赤くしてしまった。避妊具だ。

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