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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第10章 第1部隊


建物の入り口まで来て振り返るとまだ彼がそこにいて笑っているので、手を振れば振り返してくれた。


後ろ髪を引かれながら中に入ると、鳴海隊長が仁王立ちで待ち構えている。


「只今戻りました。ゲームはいいんですか?」


依存しているかのようにゲームをしていたので、していなくて大丈夫なのかと心配になった。


「遅い!あのオカッパと何をしていたのだ!」


この人、宗四郎さんのことが嫌いなのか?
あまり名前で呼ばないし宗四郎さんの話をしていると喧嘩腰になっている。


というか、まだ21時にもなっていないんですが…。


「ご飯食べてきただけですよ。それに宗四郎さんとはちゃんとした関係なので何をしていてもいいでしょう?」


私が宗四郎さんと何をしようが鳴海隊長には関係ないと言えば、ボクはお兄ちゃんだ!と声を荒らげる。

意味がわからずに首を傾げた。


「勤務時間外だ、弦お兄ちゃんと呼べ。敬語もいらん。」


さすがにもう呼ばないと言えば、ダメだと言われて頭を抱える。


「宗四郎さんにあなたのことを好きだったと伝えているので、不安にさせない為にも鳴海隊長として接します。」


敬礼をして失礼しますと横を通り過ぎれば、彼は手を掴もうとしたがその手を引っ込めて、少し距離を置きついてくる。


もしかして鳴海隊長は私のお兄ちゃんだと思っているのにあんなことをしたのか?

そんなことを考えながら後ろをついてくる鳴海隊長を盗み見た。


それより、どこまでついてくる気なのだ。
もう少しで私の部屋につくぞ?


扉の前で振り返り声をかけると、おやすみと言って帰っていった。

なんだったんだ?
あの人は何をしたいのか…。


部屋に入り中にいる人物に声をかける。
一緒に来たキコルちゃんと同じ部屋なのだ。


「遅かったわね。鳴海隊長に呼ばれてたんでしょ?そんな時間かかるようなことだったの。」


「あーえーっと…宗四郎さんとご飯食べてきた…。」


今日別れたばかりなのにもう会ってたのかと呆れられた。
今まで毎日会ってたからつい…と返して、鳴海隊長にされたことは話さなかった。


その後はキコルちゃんと一緒に大浴場に入って少し話してから眠った。

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