第9章 決断
むにゅむにゅと柔く指を乳房に押し込みながら、直接触りたいと呟く。
さすがに直接は無理だ。今でも相当耐えているのに…。
「ブラ取ってええか?」
否定したのだが、胸を揉みながら片手を背中に滑らせ、服の上からホックに指をかける。
やだと背中を逸らせても胸を触っている手で押さえられて、そのままホックを外される。
どうせ脱ぐんやからええやろと…。
緩くなった下着を服ごと掴まれて上に上げられた。
「服に擦れる…。」
「じゃあ脱ごか?」
その言葉を聞いて服をギュッと掴んだ。
服着たまま入るんか?と問われたので、大人しく手を離した。
上に羽織っていたカーディガンとワンピースを脱がされ、隠れているのは大事なとこだけになってしまう。
困り顔で彼を見上げれば、彼もまた眉を下げる。
「そないに嫌なんか…?」
「したくなる…まだ痛いから外触るのも嫌…。」
彼は謝りカーディガンを私の肩に掛けて、少ししたら入ってきぃと言って脱衣所に消えた。
嫌なら僕が上がってから入れと…。
痛みなら我慢すればいい。欲は我慢すればいい。
もし彼がその気になってしまったら咥えればいい。
私だって本当は宗四郎さんに触れられたい。
立ち上がると彼が掛けてくれたカーディガンが落ちてしまったが、気にせず脱衣所に向かった。
下着に指をかけて下げようとする彼の背中に抱きつく。
「どしたん?そないな格好で抱きつかれたら勃ってまうやん。」
笑って私の腕をポンポンと軽く叩く。
機嫌が悪くなったと思っていたのだが、いつも通りだった。