第9章 決断
そうしていると彼は耳に手をあてて、謝り待っててくれと言った。
恐らく小此木さんだろう。
少し話すと私を見てきた。
「まだ足りひんよな?もう警察つく言うとんるんやけど、行けるか?」
仕方ないだろう、私の口から何があったか話さなければいけないから…。
ゆっくり起き上がると手をかしてくれて服を着させると、私をベッドサイドに座らせて、口や手を洗いに行った。
戻ってくると机の上にある水を手渡してくれる。
「すまんな。飲みかけやし、温うなってもうてるけど…。」
首を横に振りながらありがとうと伝える。
手渡された水を飲んでいると、私のスマホや通信機を自身のポケットに入れ、ペットボトルに蓋をした私の手を握って腰に手をかけると、そのまま立ち上がらせてくれた。
まだ少し膝が震える。
隣で何かを思い出したように声を上げた彼は、私の足の間を撫でて大丈夫かと聞いてきた。
疼きのことではないと思い首を傾げる。
「相当濡れとったやろ。まだ収まってへんから溢れてきとるんちゃう?」
気持ち悪ないか?と頭を撫でた。
確かにずっと下着が張り付いていて不快感がある。
しかし、今から何かをしては警察の方を待たせてしまうだろう。
大丈夫だと答え行こうとすると、机に掴まるように言われそうすると、先程まで私が抱きしめていた彼のジャージを腰に巻かれた。
汚してしまうと思ったが、彼の厚意に甘えることにした。
腰を支えられ副隊長室に出ると、警察の方がここまで来ていた。
宗四郎さんが、先輩と私を別に出来ないかと聞くと、先輩は連行された。
警察の方と向き合うようにソファに座らせられると隣に彼も座る。
そして、あったことを全て話した。
薬を盛られた証拠が必要だと言われ、すぐに検査するよう言われた。