第8章 告白
途中で小此木さんとは別れ、ランドリーに戻る。
「あの…すみません、ありがとうございます。先輩のことを黙ってたことも、小此木さんのことも…。」
謝らなくてもいいと頭を撫でてくれる。
その後は乾いた布団カバーや枕を部屋に持って行き、湿布や包帯を医療棟でもらい、また部屋に戻ってきた。
お互いに湿布や包帯を施し、今日は寮に戻ると伝えるも、嫌やと言われてしまったので、またベッドに戻る。
こんなにここに入り浸ってていいのだろうか…。
先に横になった彼の隣に行く為、ベッドに手をついて膝を乗せるとシャッター音が聞こえた。
音がした方に目を向けると、宗四郎さんはスマホを私に向けていたので撮られたのだと気付き、すぐに消せと手を伸ばすが、スマホを取ることは叶わなかった。
「ええやん、ロック画面にすんねん。」
さすがに今のはやめて欲しい…。
絶対変な顔なってる。
やめてと手を伸ばすが、可愛いからええやんと言われてしまい、もう私の願いは聞いてもらえないと悟った。
私が諦めたのがわかったのか、スマホを置いて両手を広げている。
その胸に飛び込むように身体を預けた。
「亜白隊長にもなんか言おか?」
揶揄うように言っているので冗談だとわかった。
さすがに隊長には何も言えないだろう。
「なんて言って欲しいん?」
笑っているとそんな風に言われたので、まさか本気で言っているのだろうか?
「ううん、何も言わなくていい。」
スリスリと顔を彼の胸に擦り付け、大好きと囁けば同じように返してくれる。
少しでも疑ったら、またあんな風に無茶なことを言うんだろうか。
大丈夫、もう疑うことなんてないだろう。
私はこんなにも愛されている。
布団を掛けられたので、そのまま宗四郎さんの腕の中で眠った。