第1章 始まり
喧嘩をしていた次の瞬間
「危ない!」
誰かの声が響いた、きっと琴華だろう、私の目に写ったのは四人の姉妹がトラックに引かれている姿だった。
「え、?あ、かね?かな?ことか?しおん?ねえ、返事してよ、、、ねえってば!!!」
周りに住んでいる人がぶつかった音に気づき救急車を呼んでくれたが遅かった、四人とも死んでしまった。
なぜだろう、涙は出なかった。
家に帰り、一人、部屋で今までのことを思い返していた。
家族写真にはいつも私だけ映らない、参観授業だって、運動会だって、学芸会や文化祭、体育祭も、いつも私を応援しに来ている姿はなく、それは他の四人に向けた視線だった。
いつも比べられてきた、
私は嫌われないために必死に取り繕って、完璧を演じて、それでも私に向かう言葉は悪口ばかり、
「これじゃ、いつまでたってもおんなじじゃん、私の話を聞いてよ、私のことも見てよ!!」
いつも家族と比べられて、罵られていじめられて辛かった、それも今日で終われるんだと思うと少しスッキリした気持ちになる
私が幸せになるその時まで、ずっとずっと恨み続けるだろう
さよなら大嫌いな友達
さよなら大嫌いな家族
さよなら、、、大嫌いな自分
あの子は今日も息をする、誰にも気づかれないように
あの子は飛び込んだ蒼い水の底に
あの子は飛んでいった淡い空の彼方に
大嫌いな自分〜fin〜