• テキストサイズ

宵闇の明けと想ふは君だけと〈中学編〉

第5章 栄光の目前  〜決勝トーナメント準決勝〜


●藤堂 天● 〜東京体育館〜


いま私の目の前にいる相手は、そいつにパスを出した瞬間。
自分自身が私のディフェンスにつく気だ。


そして、自身が私を引き留めている間に。
仲間にゴールを決めてもらうつもりでいるのだろう。


だけど…


?「な?!」


どうやら、その“仲間”の方が先に気づいたみたいだ。


それまで2人で並走していたのに。
一緒に走るのを辞めたのは…


ボールの権利者が私に止められたからか?
それとも、「パスを受け取った時に、よりゴールに近づいていた方がいいだろう」と思って、良かれと思って走り続けたからか?


どっちにしろ、気づくのが少し遅かったな。
デッドラインを指定するとしたら…そうだな…


仮にだ。
センターラインに並行になるように、コート中にメモリ用の線を大量に引いたとしてだ。
私がいま乗っているラインを超えて、ゴールに近づいた時。


…が、デッドラインだな。
あくまでも“仮”の話だけど。


でも実際、私を追い越したときに、やっとその“事実”に気づいたのだろう。


罠に嵌る、既のところまで来てしまったことに…


?「待て!ボール離すな!!」

/ 276ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp