第6章 二人?でアオハル
私はコロコロと小さめのトランクを引きながら、横を歩く傑さんをみた。
「さて、どこか行きたいところあるかい?」
「うーん…。」
私は昨日の会話を色々思い返していた。
「呪霊の特級って…そんなしょっちゅう出てくるの?」
「そうだね…。特級といっても本当にさまざまだからね。どうしてだい?」
「呪術師ってみんな特性があるんでしょ?術式っていうんだっけ?傑さんのは…」
「あぁ。あまり詳しく話したことはなかったね。私のは呪霊操術っていって、取り込んだ呪霊を使役して操るんだよ。」
「……。」
「昨日の会話が気になるのかい?」
私は頷いた。
「確かにの近くだと呪霊がうまく出せない。」
「…。」
私たちは目的もなく真っ直ぐ歩きながら話をした。
「うまく出せないだけで、使役だから出そうと思えば出せる。」
無理矢理出すってことだろう。
「ただ、のその体質がどこまでの力なのかわからないから、出しても消されてしまう可能性もある。」
「…うん。」
傑さんが取り込んだ呪霊を勝手に消してしまうのは避けたい。
「昨日の感じだと特級以上の呪霊はまったく影響しなさそうではあるね。」
確かに襲ってきた呪霊は私の力は影響していなかった。
「今度、一級、二級とさまざまな呪霊で実験してみてもいいかもね。悟が許してくれるなら。」
「うん…。」
「ま、を守るくらいには大丈夫だよ。」
私の心配を感じ取ったのかポンッと頭を撫でてくれた。
それでもやっぱり不安はあった。
「呪霊たちは…私を殺すと悟さんを倒せるから狙ってきてるんですか?それとも、この体質があるから狙ってきてるんですか?」
「……。」
傑さんは私から視線を逸らし、小さく息を吐いた。
「もちゃんと考えてたんだね。悟とはその話をもうした。」
「…うん。」
「結果。まだわからない。たぶん両方だろう。と思ってる。」